ハートブレイク食堂

癒しを求めて外食ばっかりしています

Vol.2『ふくろ(池袋)』正しいハムカツを食べに行こう!

 「ハムカツを食べたことがない。」

 衝撃の告白をうけた僕は考えました。まだ見ぬロング・アンド・ワインディング・ハムカツ・ロード。この子には過った道を進んでほしくない!正しいハムカツ道に導かなくては…!と。

 ハムカツといえば酒場の定番メニューであり、多くのお店で提供されているので食べようと思えば簡単に食べられるものではある。ただ、それゆえに、お店によってハムカツも色々あります。おいしさに違いがあるのはもちろんのこと、分厚いものや極薄なもの、丸いものや四角いもの、ミルフィーユ状のものやチーズ、ポテサラなどを挟んだものなどなど。

 初めて食べたハムカツでハムカツのイメージができることを考えると、ファーストハムカツのチョイスはかなり重要だと思うのです。初めてのサッカーが「キャプテン翼」だったらカミソリシュートは二枚刃だと思っちゃうし、初めてのテニスが「テニスの王子様」だったら波動球は百八式まであると勘違いしかねない。それと同じで、初めてのハムカツはやはり基本に忠実なものを食べていただきたいなと。


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 お通し(何だったか忘れたけどおいしいやつでした)

 という訳で『ふくろ』にやって来ました。ちなみに数日前に一緒に行ったお店にもハムカツがあったのですが、「ここのハムカツを食べるのはまだ早いよ。」と三種の返し球(トリプルカウンター)で制しておきました。


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 マカロニサラダ

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 もつ煮込み

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 たこぶつ

 ハムカツへのプロローグとして最高のチョイス。言うなれば酒場界の3グァバトリオです。


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 小柱のかき揚げ

 ハムカツからちょっと話がそれますが、僕が『ふくろ』に来たら必ず頼むのがこの小柱のかき揚げです。箸でサクッと割って大根おろしと生姜をといた天つゆでいただく。サクサクの食感と小柱の旨みが口の中で踊ります。そして油をぬぐうようにビールを流し込む。完璧。跡部王国の完成です(話がそれた)


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 ハムカツ

 満を持してハムカツの登場です。適度な厚さの赤耳ハム、半円型、キツネ色の衣、キャベツの千切り、パセリ、ソース、からし。これぞバイブル。基本に忠実なパーフェクトハムカツ。「んんーっ、絶頂(エクスタシー)」とは言わなかったものの、初めて食べるハムカツにご満悦の様子でした。正しいハムカツを紹介できてよかった。こうしてハムカツ道の旅が無事に始まったのでした。


 余談だけど、正月に帰省したときに久しぶりに実家のハムカツが食べたかったので事前に母親にリクエストしておきました。で、帰った日の夜に作ってもらったハムカツをいただきました。おいしい。確かにおいしいんだけど何かが違う。ぜんぜん当時のノスタルジーな記憶がフラッシュバックしない。なぜだ…!なぜなんだ…!と不思議に思ってたら母親がこう言ったのです。

「今日はちょっといいハム買っちゃった♪どう?」

 どう?じゃないだろ!母上!僕が食べたかったのは昔よく食べていたあのスーパーで安売りされてるハムで作った素朴なハムカツであって、こんな高級なハムカツじゃないんだよ!なんて余計なことをしてくれたんだ!母上は何も分かっちゃいない!

 なんて言うはずもなく、久しぶりに帰ってくる息子のためにおいしいものを食べさせたいという母親の愛情を素直に受け止め噛み締めたのでした。あのハムカツがおいしかったのはハムがいいやつだからというだけじゃなかったんだ。


『酒場 ふくろ』
http://tabelog.com/tokyo/A1305/A130501/13003957/
東京都豊島区西池袋1-14-2