ハートブレイク食堂

癒しを求めて外食ばっかりしています

Vol.14 『お多幸(上板橋)』おでん系ゆるふわ愛されチャーミング女将

 日本橋にある大正13年創業のおでんの名店『お多幸』の支店が上板橋にあるということを知ってからちょこちょこ通ってます。支店の方も昭和44年創業の老舗。店構えもいい感じです。


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 お多幸

 これからこのお店のおでんがおいしいとか、雰囲気がいいとかいうのをお伝えしたいところなんですけど、それ以上に言いたいことがありまして。このお店、慢性的に人手不足なんです。もう、おもしろいくらいに。

 お店はスペース的にはそれほど広くないものの、カウンター席8+テーブル席24+座敷24くらいで50人くらい入る感じでしょうか。それに対して、店員は女将さん+バイト1人の合計2人。(バイトが2人入ってることもあるけど、だいたい1人のことが多いです。)なので、ぜんぜん回ってない。料理が出てくるのが遅い、というか忙しそうすぎて注文する隙もない、注文したけど忘れられてる、みたいなことは日常茶飯事です。

 もうね、普通に考えたらダメでしょ。バイトは常にアタフタしてるし。なんだけど、このダメっぷりを女将さんのキャラクターが全部ぶっとばしてくれます。女将さんに「あら~、ごめんなさいね~。」って言われるとすべて許せてしまうから不思議。チャーミング女将のパワーですべてが成り立ってる。これが『お多幸 上板橋支店』です。


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 ビールはキリンラガー

 カウンター席に座ってビールを注文。隣の席のおっちゃんがおしぼりを出してくれるので受け取って手を拭きつつビールを待ちます。

 ちなみにこのおっちゃんは店員でも何でもなくて、なぜか店員のように使われてる常連客です。客として飲みに来てるのに、女将さんに言われて業者に電話かけさせられたり、焼酎の在庫を倉庫に取りに行かされたりしてます。おっちゃんは席に戻ると「まったく人使いが荒いんだから。」って言ってニコニコしながらウーロンハイをまたひと口。なんだかんだ言いながら楽しそうっていう。僕も最初は動揺したけど、もう慣れていつもの風景くらいな感覚になりました。


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 おでん

 隙を突いて注文したおでん。甘めの出汁がしみしみです。冷たいビールにアツアツのおでん~。たまらんね~。ちなみに、出汁は暖簾分けの際に本店から譲り受けたものをずっと継ぎ足しで使っているらしいです。伝統の味~。

 隣のおっちゃんは僕より先に注文してたみたいで「俺のがんもがまだ来ないんだけど。」って言ったのだけど、女将さんは「あっ、なくなっちゃった~。ごめんね~。」とぜんぜん悪びれる様子もない上に「ちくわぶならあるけど。」っていうまったく違う提案をしてました。えー。おっちゃんも「じゃあ、冷やしトマトでいいや。」って。ええー。おでんですらなくなってる。


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 ポテトサラダ

 ザックリ切ったじゃがいもと半熟のゆで卵を野菜やベーコンと一緒にマヨネーズで和えたポテトサラダです。ホックホクのザックザクでおいしい。ちなみに、おでんと一緒に頼んだけどだいぶ遅れてやってきました。「遅くなっちゃってごめんね~。」と女将。でも、そんなのはぜんぜん大丈夫。むしろ、注文を忘れられてなくてよかったです。


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 酎ハイ

 酎ハイは忘れられてたので注文しなおしました。


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 とうめし

 そして〆に名物の「とうめし」です。毎回、最後に頼むのだけど今のところ食べられてる確立65%くらいです。なぜか豆腐が業者から届いてなかったり(件のおっちゃんが問い合わせの電話させられてた)、豆腐が煮えてイザッと炊飯器を空けたらごはんを炊き忘れてたり。ガッカリするけど、そのたびにチャーミング女将の必殺技「ごめんなさいね~。」をくらって「また来から大丈夫です~。」と許してしまってます。


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 寄ってみました

 このビジュアル。ごはんに豆腐を一丁そのまま乗せただけっていう豪快さ。甘い出汁がしみたごはんとアツアツ豆腐のフワッとした食感がベリーマッチ。本店ではランチでしか食べられないメニューが上板橋では飲みの〆に食べられるのは嬉しいです。

 このお店はオペレーションがこんなにグダグダなのに、人気があっていつ行ってもほぼ満席状態です。これはおでんがおいしいからだけじゃなくて、完全にチャーミング女将のキャラクターのなせる業なんだと思う。テーブルの片付けもできずにバタバタしてると、お客さんが自分でグラスとかカウンターに持ってきてくれちゃったりするし、狭いから詰めようか~みたいなこともお客さんが率先してやってる。もう、とにかく愛され度がハンパない。

 お会計のときに「どうだった?」と聞かれたので、とってもおいしかったですと伝えると「んもう~、その言葉だけでがんばれちゃう♪」と言って笑うチャーミング女将。僕も完全に虜になってしまってます。


『お多幸 上板橋支店』
http://tabelog.com/tokyo/A1322/A132203/13038117/
東京都板橋区上板橋1-27-7

 

#6 新たな山!危険なチョモランマ盛りの蕎麦『奥会津(久喜)』

 「なぜ山に登るのですか?」と聞かれて「そこに山があるから。」と答えたジョージ・マロリーのように、すごい山があると聞いたら登りに行くしかないと思うんです。ネットで検索すれば画像はたくさんでてくるし、テレビでも見かけたりするけど、そういうことじゃないと思うんです。実際に自分の目で見て、体で感じることが大切だと思うんです。事件は会議室で起きてるんじゃないんです。現場で起きてるんです。


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 会津

 ということで、現場にやってきました。埼玉県久喜市にあるそば屋『奥会津』です。店内は満席。6~7組待ちといったところでしょうか。20分ほど待って店内にイン。そして「かき揚げそば大盛り」を注文しました。大盛り、どうやらこいつが容疑者のようです。


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 ごま汁そば(並盛り)

 まずは参考に並盛りのものを見てみましょう。こちらは、「ごま汁そば」というごま味噌っぽいつけ汁のそばです。量は普通。やや多めといえば多めかもしれませんが、これで並盛りということは、大盛りと言ってもせいぜいこの2倍くらいの量というところでしょう。余裕ですよ、室井さん。こんくらいの事件、ちゃちゃっと解決しちゃいますね。

 そんなことを考えていると容疑者が現れました。


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 かき揚げそば(大盛り)

 ちょっとー!話が違うじゃないですか!どうなっとんじゃーい!


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 そば

 めちゃめちゃ盛られてるじゃないですか!「特盛り」とか「メガ盛り」とかじゃないんですよ?大盛りですよ?急でしょ!急に増えすぎでしょ!もうちょっと段階を踏むべきでしょ!どうしたらいいだこれ!こんなの手に負えるのか!室井さん、答えてくれ!俺はあんたの指示に従う!


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 かき揚げ

 そばの存在感がすごすぎて目立たないけど、かき揚げも馬鹿デカい!写真だと分かりづらいかもしれないけど!これ!コピー用紙でいうところのB4サイズくらいあるよ!室井さーん!「君たちの判断に任せる。責任は私が取る。」って、そんなこと言われてもレインボーブリッジ封鎖できませんし、奥会津のチョモランマ登頂できませーん!

 奮闘したのですが、残念ながら完食にはいたりませんでした……。でも大丈夫。『奥会津』はお持ち帰り用のビニール袋が用意されているので、残りはそれに入れて持ち帰り、スタッフがおいしくいただきました。

 そんなこんなで容疑者確保!なんてな。和久さ~ん!


『奥会津
埼玉県久喜市大字北青柳86-1

 

こんなにあるぞ!富山おいしいものまとめ

 「富山って何があるの?」「そもそも富山ってどこ?」などと言われがちなマイナー県の富山。でも、それはまだみんなが富山の魅力に気づいていないだけ!富山はこんなに素晴らしい!ということをおいしいもの視点でお伝えしたい。

 そんな訳で、富山グルメをマルッとまとめてみました。これを読んだら富山に行きたくなること受け合い。長野や新潟あたりの人たちは「きれいな指してたんだね、知らなかったよ。」と思わず口ずさんでしまうはずです。何も言えなくて・・・富山!


1.富山湾の宝石「白えび」

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 『白えび亭』の白えび天丼

 富山名物といえばまずはこちら。富山県が日本で唯一の漁場を持っている白えびです。その名のごとく真っ白な海老で身が甘くておいしいです。刺身やお寿司、唐揚げ、かき揚げ、天ぷらなどなど食べ方はいろいろ。白えびラーメンや白えびバーガーなんていうものもあります。富山の一押しグルメ!富山に行ったら白えびは激マストです!


2.江戸時代から伝わる郷土料理「鱒寿司」

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 『まつ川』の鱒寿司

 白えびを新名物とするならば、こちらは旧名物といったところでしょうか。富山名物界のジェフ・ベック、富山で最も知られているグルメの鱒寿司です。

 鱒寿司は駅弁になっていたり、都内のコンビニでもおにぎりになっていたりとメジャーな食べ物なので馴染み深いかと思うのですが、本場で食べる鱒寿司はひと味もふた味も違います。ええっ!?鱒寿司ってこんなにおいしいものだったの!?と驚くこと間違いなし。人気ラーメン店のごとく、なくなったら営業終了というスタイルがほとんどなので予約して買うべし!


3.独特の真っ黒なラーメン「富山ブラック

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 『西町大喜』の中華そば

 富山市発祥のご当地ラーメン「富山ブラック」です。醤油を濃くした真っ黒なスープが特徴の独特のラーメン。ごはんと一緒に食べることを前提として作られていて、かなり塩辛い味付けとなっています。という話なんですけど、実際に食べてみたらそれほどでもなく(お店によるのかもしれませんが)あとを引くおいしさです。富山ならではのラーメンを是非!


4.富山が誇るブランド牛「氷見牛」

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 『牛屋』の氷見牛ステーキ丼

 漁港の街、温泉の街として知られている氷見市ですが、実は富山県内で最大の牛肉の産地でもあるのです。そして、その氷見市から生まれたブランド牛が「氷見牛」になります。近年では近畿ブロックの品評会でも1、2を争うほどの実力を持つ黒毛和牛なのだとか。こ、これは食べない訳にはいきませんね!

 氷見市内には氷見牛を扱った焼肉店やステーキハウスがあったり、氷見牛バーガー、氷見牛コロッケ、氷見牛カレーといった氷見牛を使ったメニューもたくさんあります。氷見牛のやわらかくて旨味たっぷりのとろけるおいしさはたまりません。


5.うどん界のナンバースリー?「氷見うどん

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 『海津屋』のざるうどん

 氷見うどんは氷見の郷土料理である手延べうどんです。日本3大うどんには諸説あるらしく、香川の讃岐うどん、秋田の稲庭うどんに次いで3番目の候補に群馬の水沢うどん、愛知のきしめん、長崎の五島うどんなどがあって、そこに富山の氷見うどんも入っているそうです。

 麺を手作業で延ばしていく手延べの氷見うどんは、ツルツルで喉ごしスッキリ。それでいて噛むとモチモチしています。同じ手延べの稲庭うどんともまた違った独特の食感でおいしいです。


6.幻の魚「ゲンゲ」

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 『酒菜工房 だい』のゲンゲの唐揚げ(骨せんべい付き)

 「幻魚」と書いて「ゲンゲ」と読む、その名のとおり滅多に出会うことのできない幻の魚です。富山、新潟、秋田の一部で食べられていますが、傷みやすいため他の地域にあまり出回りません。全身がヌルヌルした細長い白身魚で、唐揚げで食べるとフワッフワ。適度に脂が乗っていてしつこくなく食べやすいです。また、身体を覆うヌルヌル部分にはコラーゲンが多く含まれていて美容にもいいとか。おいしくてお肌もきれいになるだなんて素敵!


7.きときとうまうま「富山湾の魚介」

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 『寿司栄』のフクラギ(ブリの子)のにぎり

 富山湾は、能登半島に囲まれた日本海最大の広さを持つ湾で、深さも1200m以上あって日本三大深湾のひとつに挙げられています。また冷たい深層水と暖かい対馬暖流が交じり合っていて、広さと深さ、冷たさと暖かさを兼ね備えた湾になっています。そのため、冷水系の魚、暖流系の魚、深海系の魚介類など日本海に生息する約800種のうち約500種が泳いでいて「天然のいけす」と呼ばれています。もうこれだけでヤバい。

 県の魚に指定されているブリ、白えび、ホタルイカをはじめ、マグロ、タイ、ノドグロ岩牡蠣ベニズワイガニ、バイ貝などなど新鮮魚介の数々が楽しめます。お寿司は回転寿司でもめちゃくちゃおいしい。


まだまだあるぞ!富山グルメ!

 いかがでしたでしょうか。富山の魅力が伝わりましたでしょうか。そうでしょう、そうでしょう。隣にいたなんて信じられないでしょう。他にも冬は脂の乗った寒ブリのしゃぶしゃぶやホタルイカのお刺身、あつあつの富山おでんなども楽しめます。想像しただけでよだれが……。

 北陸新幹線が開通したことで東京からも気軽に行けるようになった富山。ぜひぜひ富山グルメを堪能しに行ってみてくださいな~。