Vol.7 『もがみがわ（平井）』東京と千葉の境にある山形

　友人から平井にある『やなか草』というラーメン屋を数年前からお勧めいただいてたのだけどなかなか行けずにいて、年賀状にまで「今年こそは『やなか草』に行ってください！」と書かれてしまい、これはいよいよ本腰入れて行かねば！ということで、仕事が早く終わった日に隙を突いて行ってきました。で、わざわざ平井まで行くなら平井で軽く飲もうことになったのでした。

　ちなみにこちらが『やなか草』のラーメン

　しかしまあ、平井って遠い。電車での行き方をアプリで調べてみると、職場のある五反田から山手線で秋葉原へ、そこから総武線に乗り換えてしばらく行くと平井。千葉県である。都心部からだと言うほど遠くないのかもしれないけど、池袋周辺をホームグラウンドとしている身としては千葉県というだけですごく遠い感じがしてしまう。

　意気揚々として山手線のいつもとは反対方向の電車に乗ったものの、間もなく「僕はなぜわざわざ千葉まで飲みに…」という気持ちが込み上げてくる。「飲むならもっと近場でいいんじゃ…。そうだよ、ここでいいじゃん…。食べたいラーメンもあるし…。」と新橋で早くも挫折しかけました。雨も降ってるし。

　心が折れそうになるのを何とか乗り切って秋葉原へ。そして総武線に乗り換えて電車内の路線図を確認する。えっと平井は…亀戸の次か。小岩の手前なんだな…って、あれ？もしかして平井って東京都？小岩って東京だよね？いやいや、でも平井は千葉って聞いてるし。もしかして飛び地で平井だけ千葉県なの？

　思えば遠くへ来たもんだ

　そうこうしているうちに東京だか千葉だか分からないまま平井駅に到着。初上陸です。ここまで来たらもう飲むしかないね。ということで、覚悟を決めて雨の中を歩きます。飲みに行くのに「覚悟を決めて」ってなんだという感じもしますが。

　素敵な店構え

　駅から歩いて3分ほどの『もがみがわ』に入りました。カウンター10席くらいとテーブル席が20席くらいでしょうか。まあまあ広めの店内はにぎわっていて、8割方うまってる感じでした。カウンターの1番手前が空いていたのでそこに座ることに。カウンター内には店員のおばちゃんが2人、パタパタと忙しそうに働いてます。

　席に着くと隣にいたビールを飲みながら談笑してたおばちゃんが「何にする？」と聞いてくるので、「えっ？えっと、ビールを…」と動揺しながら言うと、「ビール1つ！」と言って立ち上がり、瓶ビールを持ってきてくれました。店員だったんかーい！

　ちなみに、しばらくしてから後ろで飲んでたおじさんもお店の人だったことが判明して、お前もかーい！ってなりました。

　銘柄を選べたのでキリンにしました

　おばちゃんはビールを運んできてくれたあと、また座ってお客さんと話しながらビール飲んでました。どういうポジションの人なんだろう。

　ひとまずビールで喉を潤しつつメニューをながめます。

　壁に貼られたメニューたち

　テレビにも貼ってあります

　使えるところは全部使う精神

　事前情報ほぼゼロの状態で入ったのですが、どうやら山形県にゆかりのあるお店のようです。それではということで、定番メニューのガツ刺し、山形メニューのわらび一本漬け、それとせっかくなので棚に貼ってあるメニューの漬けマグロ山かけを頼みました。棚の引力あると思う。

　ガツ刺し

　わらびの一本漬け

　漬けマグロ山かけ

　わらびの一本漬けって馴染みないし、山形といえばみたいなイメージも特になかったんだけど、インスタグラムにアップしたらすぐに山形出身の友人からコメント付いたので山形では定番なんですかね。漬物を想像してたけど実際は醤油漬けみたいな感じでした。おいしいしお酒に合う。

　牛すじ煮込み

　ひとしきり食べ終えたところでカウンター内のおばちゃんにオススメを聞いたら、隣でビール飲んでたおばちゃんと「おすすめ…なんだろうねぇ？」「なんだろう…。牛すじとか？」「牛すじねぇ…。」「う～ん。牛すじはどう？」って言われて「じゃ、じゃあそれで。」と頼んだ牛すじ煮込み。ちゃんとして！あ、でもいっか。そのゆるさがまたいい感じだし。やっぱりちゃんとしないで！そのままでいて！そのままの君でいて！